关乎格局与境界。
“用笔要沉着,沉着则笔不浮;又要虚灵,虚灵则笔不板。解此用笔,自有逐渐改观之效。笔要巧拙互用,巧则灵变,拙则浑古,合而参之,落笔自无轻佻浑浊之病矣。”(秦祖永《桐阴画诀》)很明了,沉稳虚灵,能去俗病。俗病既去,格局自大;有格局,方有境界。
笔墨手札之卅。庚子杏月鱼公欣夫并记。
穏やかで虚霊な筆遣いは、
構えと境界に関わる。
「用筆要沈着、沈着則筆不浮、又要虛靈、虛靈則筆不板。解此用筆、自有逐漸改觀之効。筆要巧拙互用、巧則靈變、拙則渾古、合而参之、落筆自無軽佻渾濁之病矣。」(筆遣いは安定していなければならず。安定していれば筆は浮かず、筆墨の線も渾厚となる。しかしまた生き生きとしている必要がある。生き生きしていれば型に陥ることはない。この方法によれば、字は自然に変わる。巧みさと拙なさが互生するならば、巧は霊変し、拙は渾古であり、両者が合わされば、軽佻、濁りを免れる。)(秦祖永『桐陰画訣』)非常に明らかである。落ち着いていて虚霊であれば、俗病を取り去ることができる。俗病は去って構えは大きくなる。その構えがあって初めて境地が生まれる。
筆墨自書の三十。庚子杏月魚公欣夫記す。
快速流畅而不单薄,
慢笔凝重仍见灵动。
快不单薄、慢与灵动,都有矛盾。如何统一?全在功力与心力。形势由心造,心力的把控,功力的运用。如快而不飞,慢能呼应。米芾①提倡“无垂不缩,无往不收”。并非每笔回一下,或收回来。而在结果,这需内功,只要牵丝不出,就生内涵。或者空中收笔,笔要留住,刹得住车,就不会飞。不飞就不薄,慢笔反之。运笔时虽慢而意不断。每一笔有顾盼,注入生命,就不板滞。
笔墨手札之卅一。庚子桐月鱼公并记。
①米芾(1051—1107),字元章,号襄阳漫士。世居太原(今属山西),迁居襄阳(今属湖北),后定居润州(今江苏镇江)。北宋书画家。
速くて滑らかに流れるのが薄っぺらなのではなく、
ゆっくりとした筆だが生き生きとした様子も見られる。
速いことと薄っぺらでないこと、ゆっくりでも生き生きとしていることにはいずれも矛盾が含まれている。どうやって統一するのだろうか。功力と心力が必要だ。形は心で作られ、心力のコントロール、功力の運用が必要となる。速くても飛んでしまうことがなければ、ゆるやかでも呼応できる。米芾は「無垂不縮、無往不収」(縦を書く時にはいずれも瞬時に止めるべきであり、横または左払いと右払いの時にはしっかり押さえて出鋒しないようにする)と提唱している。一筆ずつ返したり、回収したりするのではない。結果にこそ心を凝らすべき、ここには内功が必要で、糸を引いて出ないようにしさえすれば内包が生まれる。あるいは空中で筆を収めて止まることができれば、飛びだすことはない。飛ばなければ薄っぺらにはならない。ゆっくりとした筆はこの逆である。筆の運びが遅くても意味は絶えることはなく、一画ごとに前後左右を見守り、生命を注ぎ込むと滞ることはない。
筆墨自書の三十一。庚子桐月魚公記す。
落笔不拖泥,行笔不带水。
转笔似龙蛇,收笔不张露。
创作亦如做事,心平气和,不藏杂念,绝不拖泥带水,出手干净利落。用笔清健气爽,运笔不慌不忙、不紧不慢,笔由心转,随意而就。写到兴致起,忘掉自己,那便是高境界。
笔墨手札之卅二。
庚子仲春崇德鸽子浜盛家木桥鱼公盛欣夫。
【日语译文】
書き始めをだらだらさせず、運筆が水を帯びない。
転筆は竜蛇のようで、筆を収めるも露が出ない。
創作も仕事のように心が和やかに、雑念を隠さずに、決してだらだらせず、すっぱりとあざやかに行う。さわやかに筆を用い、慌てず急がず、速くもなく遅くもなく筆を運ぶ。筆は心で動かし、心のままに操る。気が向くままに書き、自分を忘れてしまうことができれば、それが高い境地である。
筆墨自書の三十二。庚子仲春崇徳鳩浜盛家木橋魚公盛欣夫。
画画必先知用笔,用笔最好先写字。
写字必先明提按,提按顿挫写自然。
书画同源,源在笔墨。汉字始于象形,图画起于线条。书画互生,我中有你,你中有我。所以画画必须熟悉笔墨性能与方法技巧,可以一举两得。其提按顿挫,用之造形,增加生动活泼,画中枯湿浓淡,回到书法,也能添其精神。互益互补,得天之厚。
笔墨手札之卅三。戊子撰,庚子雩风鱼公盛甫之。

絵は描くには必ず先に執筆を知らねばならず、
執筆にはまず文字を書くのがよい。
文字を書くにはまず筆を持ち上げて書き、後に筆を押して強く書け、止まること、反転することができれば(提押頓挫)自然に書くことができる。書と画の源は同じく筆墨にある。漢字は象形から始まり、絵は線から始まる。書画は互いを生み出し、互いの中に存在する。そのため、画を描くには筆墨の性能と技巧をよく知らなければならない。一挙両得である。その「提押頓挫」により形を作り、生き生きとした活発さを増すのである。絵の中の枯湿濃淡は、書法においても精神を加えることができる。互いに補いあうわけで、とりわけ恵まれている。
筆墨自書の三十三。戊子撰、庚子雩風魚公盛甫之。

盛欣夫,字甫之,号鱼公。堂号盛庄、梦斋、惕庐、子鱼堂。1949年1月(戊子除夕)生于浙江桐乡(崇德)盛家木桥。书坛名宿邹梦禅弟子,国家一级美术师。中国书法家协会会员,当代作家联会理事,中国武术协会会员,浙江当代中国画研究院副院长,宁波财经学院教授,宁波大学客座教授,政协海曙区第二、三、四届专家型特聘委员,海曙书画院副院长,中国渔业协会渔文化分会理事,宁波渔文化促进会艺术中心副主任,桐乡市书法家协会名誉主席,景德镇鱼画陶瓷研究院名誉院长,鱼公书院院长。
数十年躬读老庄,用心晋唐,意会晚明,深研楚简,独钟简草,书画自己。或书,或画,或文,或陶瓷绘,其实只为书画一件事,人生七成在笔墨。如是走来,乐在其中。曾获"中国书法百杰"称号、第二届中国书法兰亭奖•教育提名奖、嘉兴市人民政府艺术教育成果奖。鱼瓷作品与鱼类绘画双获农业部、中国渔业协会金奖。2019年,书画六件(组)入藏浙江省博物馆等。
主要著作有《甫之识联》《鱼谱》《鱼瓷》《国画蔬果鱼类技法丛谱》《行草十八要旨》《盛庄艺文)(独写人生》(书写入心》《鱼公书画集丛》等30余种。
格言:顺其自然 必有自我。
作者の紹介盛欣夫、字は甫之、号は魚公。堂号は盛庄、夢斎、惕廬、子魚堂。1949年1月(旧曆戊子年の大晦日) に浙江桐郷(崇徳) の盛家木橋に生まれた。書壇の名人でめり権威であった鄒夢禅の弟子で、国家一級美術師である。中国書法家協会会員、当代作家聊谊会理事、中国武術協会会员、浙江当代中国画研究院副院長、寧波財経学院教授、寧波大学客員教授、政協海曙区第二、三、四期専家型特任委員、海曙書画院副院長、中国漁業協会漁文化分会理事、寧波漁文化促進会芸術センター副主任、桐郷市書道家協会名誉主席、景徳鎮の魚の絵の陶磁器研究院名誉院長、魚公書院の院長です。
数十年にわたり老莊をひたすらに読み、晋唐の文化を体得し、明末の文化を理解し、楚簡(竹簡)の研究に動しみ、草書を専らし、自身を書画で表現してきた。書、画、文、陶磁器の絵をのすが、ただ書画に心をこめ、筆と墨の人生を歩んできたが、楽しさはその中にあった。かつて、「中国書法百傑」の称号を与えられ、第二回中国書法蘭亭賞·教育賞にノミネートされた。魚の陶磁器作品と魚類の絵画がいずれも農業部、中国漁業協会の金賞、嘉興市人民政府芸術教育成果賞を受賞。2019年、書と絵六点(組)が浙江省博物館などに所蔵品として収められた。
主な著作には、『甫之識聯』『魚譜』『魚磁』『国画野菜·魚類技法羲譜』『行草十八要旨』『盛庄芸文』『独写人生』『書写入心』『魚公書画集羲』等30余種がある。
格言:自然に従えば、必ず自我有い。
